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アレルギー

【花粉症対策】減感作療法とは?期待される効果や注意点デメリットについて

2017/01/19

「減感作療法(げんかんさりょうほう)」はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、原因抗原に対する感受性を低下させる減感作療法で花粉に強い体づくりで来年に備えましょう。

花粉症は、花粉に対するアレルギーによって起こる病気です。

このアレルギーには根底にそもそもアレルギーを起こしやすい生まれつきの体質があること。

つまり症状に悩まれている方自身が、IgE抗体を生産しやすい体質をもっているという問題があります。

そこで、「このアレルギー体質を改善してしまえば、生涯アレルギーから解放されるのではないか?」という発想から開発されたのが、これからお話しする「減感作療法」と呼ばれる治療法です。

およそ90年の歴史をもつといわれるこの治療法は、欧米では、日本以上に広く普及しています。

当初は、ダニやハウスダストを抗原とする通年性のアレルギー性疾患、とくに気管支喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎などの人だけを対象に行われていました。

しかし、最近では花粉症が急激に増加したこともあって、花粉症の人にも積極的に行われるようになっています。

抗ヒスタミン等の薬による治療法は、あくまでも一時的に症状を抑えるだけの、いわゆる対症療法なのです。

薬を使うのをやめてしまえば、原因抗原に接触するたびにアレルギー症状をぶりかえすことになります。

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【花粉症対策】減感作療法とは?

減感作療法は、原因抗原に対する過敏性を低下させることによって、再度原因抗原にさらされてもアレルギー反応を起こさないような体につくり変えてしまおうというものです。

スギ花粉症の人であれば、スギ花粉に対する抵抗力、正確にいえば原因抗原に対する反応の低下状態をリンパ球レベルでつくってしまおうという治療法です。

減感作療法が、免疫療法と呼ばれているのはこのためです。

このように減感作療法は、まさにアレルギー性疾患の根治療法といってもいいものです。

それと同時に、抗アレルギー薬に勝るとも劣らない、より確かな予防的治療法であるともいえます。

減感作療法ってどうやるの?

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さて、実際にその方法についてですが、ここではスギ花粉症の人を例に、減感作療法がどのように行われるのかご説明しますね。

減感作療法は、すでに皮膚テストなどによって原因抗原がスギ花粉であることが確認され、「スギ花粉症」との診断がついていることを前提に行います。

ですから、その確定診断が出ていない患者さんには、まず第一段階として、皮膚テストを受け、スギ花粉が抗原であることを確認されてください。

そのうえで、いよいよ減感作療法に入るわけですが、これは原因抗原であるスギ花粉の抽出エキス(皮膚テストに使われるものと同じ)を使って行います。

週に1回、あるいは2回の間隔で定期的に病院へ行き、希釈した抗原エキスを一定の法則で徐々に増量しながら、繰り返し皮下に注射してもらいます。

抗原に対する反応には非常に個人差がありますので、どの程度の濃度から注射をスタートするかは、皮内テストでどこから陽性になるか、つまりスギ花粉に対する皮内反応閾値を調べ、通常はそれより10倍薄い濃度から始めます。

たとえば100倍希釈液で陽性になれば、1000倍希釈液を、初回は0.02ミリリットルを、皮下注射します。

注射後の局所反応(注射部位のかゆみ、発赤、腫れ、疼痛など)を注意深く観察しながら、その後は1週間に1回、できれば2回のペースで、注射する抗原の量を1週間につき25~50パーセントを目途に増量していき、維持量に達したら増量は中止されます。

この維持量に到達するまでに、通常はおよそ30回の注射を行います。

維持量に達したら、その後は注射間隔を2週に1回、3週に1回と段階的に間隔を広げながら維持量での注射を続行し、最終的には月1回のペースで最低1年、場合によっては2年間注射を続けると効果が現れます。

その後については、維持量での注射をそのまま継続すべきとする方針もあれば、そこでいったん治療を中止して様子を見るという医師の方針もあります。

そして、次の花粉シーズンに入ってからもいっさい薬を使わずに無症状で過ごすことができれば、その時点で減感作療法は成功した、ということになります。

【花粉症対策】減感作療法に期待される効果は?

実際、花粉症の人にこの減感作療法を受けていただくと、だいたい5人のうちの3~4人、つまり60~80パーセントの確率で、翌年花粉シーズンを迎えても薬をいっさい使わずにすむ状態にまで改善することが、内外の研究報告で明らかにされています。

治らないと思っていた花粉症もかなり改善されるということです。

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このように減感作療法は、毎年シーズンが来るたびにうっとうしい思いをしている花粉症の人にとってはもちろん、年々急増する花粉症の治療に心をくだいているお医者さんにとっても、大変魅力的な治療法です。


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【花粉症対策】減感作療法のデメリットについて

ただし、この減感作療法にもまったく問題がないわけではありません。

というのは、効果が確実に現れるまでに、かなりの時間がかかってしまうからです。

抗アレルギー薬を予防に使うときと同じ感覚で、花粉の飛散開始1カ月前になってから「減感作療法を」となっても、そのシーズンにはとうてい間に合いません。

効力を発揮するまでには、最低でも半年は必要です。

花粉シーズンが終わったら治療をスタートしましょう

理想をいえば、治療終了から1年経っていれば間違いなく効くといわれていますから、希望される方は、その年ではなく、次の年の花粉シーズンに備えて治療を受ける、という心持が必要です。

しかも、減感作療法では、すでに発病しているスギ花粉症の患者さんに、その病気の原因となっている抗原を繰り返し注射することになります。

そのため花粉が飛び交っているシーズン中にこの治療を行うと、かなり大量の原因抗原が体内に侵入することになり、稀にショック状態に陥る危険性があります(これをアナフィラキシーショックといいます)。

ですから、安全のためにも花粉シーズン中の治療は極力避けるのが普通です。

したがって、来春に備えて減感作療法をスタートされるなら、花粉シーズンが終わったそのときがチャンスなのです。

花粉から解放されてやっと一息ついたというのに、またの病院通いでは大変でしょうけど、「花粉症とは今年限りできっぱり縁を切りたい」という方は、いま一度、かかりつけの医師を訪ね、あなたが減感作療法に向いているかどうかじっくり相談されることをおすすめします。

【花粉症対策】減感作療法の注意点

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「減感作療法」を受けるとき、気をつけることについてお話します。

減感作療法では、皮下注射後に注射部位に現れるかゆみ、発赤、腫れ、痛みといった症状が、治療を進めていくうえで重要な指標になります。

この皮膚反応は、必ず医師が観察します。

そのとき、皮膚反応が強く出て、痛みが強かったり腫れがひどいようであれば、そうした症状をよく抑える塗り薬(ステロイド軟膏)があるので、担当医に伝えて相談しましょう。

この皮膚反応に加えて、注射後の患者さんには、稀に全身にかゆみや蕁麻疹が出ることがあります。

あるいは、これは非常に稀にしか見られませんが、アナフィラキシ-ショックと呼ばれるショック状態に陥ることがあります。

このような全身性の副作用が起こるのは、注射後15~20分以内です。

したがってその間、つまり注射後せめて30分間ほどは、万一に備えて外来の待合室や廊下、施設内に駐車した車の中で静かに待機して様子を見、それで異常がなければ家路につく、という感じになります。

なお、治療によるこうした副作用は、体調が悪いときほど強く出ることが経験的に知られています。

そのため、風邪をひいていたり、睡眠不足が続いて体調が思わしくないときは、注射する抗原エキスの増量を見合わせることがあります。

ときには治療を中止することも必要ですから、どうも体調がすぐれないというときは、治療開始前にその旨医師に忘れずに話すようにしてください。

症状が軽い人には効果が薄い?

この減感作療法は花粉症状に悩むすべての人に有効というわけではありません。

症状が軽い人や、また年齢的に若い人ほど有効率が高く、高齢者になるほど、また症状が重くなればなるほど効果が出にくくなることが多くの経験からわかっています。

ですから、どうせ受けるならできるだけ症状が軽いうちに、また年齢も若いうちに受けたほうがいいということになります。

といって、すでに重症化している方や高齢の患者さんでは受けても無効かというと、決してそうとはいいきれません。

治療の可否は、さまざまな要因を考慮して総合的に判断することになりますから、希望される方は遠慮なく、しかしできるだけ早めに主治医に相談されることをおすすめします。

「アナフィラキシーショック」とは?

花粉症を初めとする一般的なアレルギーは、IgE抗体、肥満細胞あるいは好塩基球を介して、即時にその過敏症状が現れるⅠ型のアレルギー反応によって起こる病気です。

このアレルギー反応が鼻腔粘膜を舞台に起こればアレルギー性鼻炎になり、気管支で起これば気管支喘息、皮膚で起これば蕁麻疹になります。

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ところが、このアレルギー反応が稀に非常に激烈になると、局所だけの症状では治まらず、血圧が下降したり、顔面蒼白、呼吸促進、四肢の冷感といったかなり重篤な全身症状が現れることがあるのです。

これを「アナフィラキシーショック」といい、対応が遅れると、死に至ることもあります。

とはいえ、アナフィラキシーショックはそうめったに起こるものではありません。

わたしたちに本での場合、原因の多くはペニシリン製剤などの薬物によるものがあります。

また、そばアレルギーのような食品との関連で起こるものもあります。

非常に珍しい例として、94年夏の異常な猛暑の影響でスズメバチが大繁殖し、その巣をつついて刺された男性がアナフィラキシーショックに陥ったという報道がありました。

このようなハチアレルギーは外国などではよくあるようですが、日本ではきわめて特異なケースです。

アナフィラキシーの症状、原因、対策等については、コチラでも記事をまとめていますのでもし気になる方はご覧ください。

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