
鞍馬の火祭り 掛け声の意味は?日程・スケジュールと祭りの見どころご紹介
今回は京都三大奇祭の1つ、「鞍馬の火祭り」についてご紹介したいと思います。
一度でも行ったり見聞きした人ならご存知かもしれませんが、
祭りのときのあの掛け声、知ってますか?
そう、あの『サイリョウ~、サイレイヤー、サイリョウ~』という、
あの掛け声のことです。
この「サイリョウ」っていうのが何なのか、意味をご存知でしょうか^^;
そんな素朴な疑問への回答も含めて、鞍馬の火祭の日程、見どころなど、ご紹介します!
ぜひ、ご参考ください!
鞍馬の火祭り 掛け声の意味は?
まず始めに、冒頭でも述べましたがこの祭りのときに掛け合う掛け声についてです。
「サイリョウ」ってどういう意味でしょうか?
最良
裁量
宰領
・
・
・
漢字変換してもよくわからないですよね^^;
ここでもう、答えをいいますと、
「祭礼やぁー」って言ってるそうなんです。
祭礼。
つまり、『祭りだ祭りだー!!』って活気づけてるんですね~。
関西弁(京都弁?)なので『サイレイヤー、サイレヤー』がなんとなく短くなって、あの・・・
『サイリョウ~、サイリョウ~』と聞こえるんですね。
以上、スッキリしましたでしょうか?
つづいて、祭りの日程や見どころなど、少し踏み込んでいきますね^^
鞍馬の火祭りはいつやる?日程・スケジュールは?
鞍馬の火祭は10月22日に開催されます。
おおまかなタイムスケジュールは以下のとおり。
18時
・神事振れ
家々の軒下に用意されたかがり火が一斉に点火。
20時~21時頃
山門下の石段のところに約500本の松明が勢揃い。
21時30分頃
・注連切りの儀
神社石段で竹の間に張った注連縄(しめなわ)を切る。
・神幸の儀
神輿が石段を駆け下りる。
・チョッペンの儀
神輿の先の担ぎ棒に男たちが逆さ大の字になってぶら下がる。
・町内巡幸
お旅所(おたびしょ)で神楽が奉納され、神楽松明が境内を巡る。
24時頃
祭り終了。
※時間は神事の流れやその年により変わることもあります。
ところで、上記↑のタイムスケジュールにある、「チョッペンの儀」ってなんでしょうかね?
言葉が気になり・・・
説明が書かれていますが、「チョッペン」っていうのは何なのでしょう??
調べてみたいので次の章でご説明します!
チョッペンの儀って何?
儀式の内容は?
「チョッペンの儀」では何が行われるのかというと、、、
若者たちに担がれた神輿は、女衆の引き綱でコントロールされます。
そろそろと山門下の石段を降りていくのですが、この時、左右の担ぎ棒の先端に、締め込み姿の若者がぶら下がります。
更に、足を逆さ大の字にし、それを担ぎ手がさらに押し上げる...!
このようなことが行われるのです^^;
さすが「奇祭」と呼ばれるだけあって不思議な感じですね。
若者が大人デビューする儀式?
このチョッペンの儀について、佛教大教授によると以下のような見解が述べられています。
「火祭全体に、肉体的、精神的試練を克服し、親類の人、あるいは好きな女の子に、男がその勇姿を見せるという要素もある」
鞍馬地区独特の、大人デビューを果たすための重要な儀式なのですね^^!
結局、「チョッペン」とはどういう意味?
それで、「チョッペン」ていう言葉の意味自体がまだ不明確なのですが、どこか中国か韓国とかの方言なのかなー?
と調べてみたところ、ここでいう「チョッペン」に値するかは定かではないのですが、
九州地方で「チョッペン」と言う方言があるみたいです。
宮崎県や鹿児島県のほうになるようですが、「てっぺん」のことを「ちょっぺん」と言うこともあるそうです!
てっぺんは天井のことですが、感じで天辺と書きますね。
儀式では逆さになって大の字(開脚)に・・・とするので、てっぺん(チョッペン)に向けて・・・!!
ということなんでしょうかね^^;
ここはなんとなーく、納得した気持ちになっておきましょう!
鞍馬の火祭り 祭りの見どころは?
祭りの見どころ、撮影ポイント
京都三大奇祭のひとつで、鞍馬の町全体が火に包まれます。
大小さまざまな松明が行きかう熱狂的で迫力ある鞍馬の火祭り。
始まりは、18時からです。
神事振れの合図とともに、晩秋の鞍馬の町の表情は一変します。
各家々の前に焚かれたかがり火。
しめ込み姿、わらじばきの若者が、4人がかりで燃えさかる巨大な松明を担いで沿道を練り歩きます。
乱舞する火のさまは、観客を感動で震えさせるほどです。
クライマックスは、山門下の石段の所に大小500本以上本の松明が集合し、ひしめきあい一大壮観を呈する20~21時頃です。
観客の目の前に、ごうごうと燃える火が勢揃いする光景は圧巻です。
この石段周辺は、見物や撮影の特等席というだけあって、祭りの始まる2時間前には、弁当持参で場所取りをする人たちで満杯になります。
前列を取りたければ、当日の午前中に陣取りをする覚悟で行きましょう。
太鼓の合図で、青葉の精進竹に張った注連縄が切られ、神輿が石段を駆けおりる面もいい。
急に下りないように女性が神輿の後ろから綱を引いて参加する点もこの祭りの特色です。
神輿は鞍馬川上流の鞍馬温泉に向かい、そこでUターンしてお旅所(鞍馬駅の南)までの氏子中を巡幸。
男たちが4人がかりで捧げもつ4本の大きな神楽松明は必見です。
祭りの終了は深夜0時過ぎまでで、祭りが終わると、鞍馬の里も秋が終わるのです。
祭りの注意ポイント!
鞍馬の町の道路や参道は狭く、松明の火が真近まで迫ってくるので、警備にあたっている警察官の誘導に必ず従うようにしてください。
勝手な行動をすると、大やけどにもなりかねないので注意が必要です。
鞍馬の火祭 晩秋の鞍馬街道に火の花が咲く!
京都府京都市左京区
10月22日
鞍馬の晩秋は、さみしく、物音ひとつしません。
祭りだというのに、午後になっても人っ子一人いないのです。
10月22日、秋の日は花背の峠にかかったか、木の芽煮の看板が通り過ぎる人を誘います。
間口を開ければ、店の人にあえるから…それほど、人恋しくさせる秋なのです。
紅葉の一葉が風に飛ばされないことを祈りながら、夕日に赤く染まって夕暮れをいよいよ濃くします。
そして・・・
街道が一変し集落が活気づきます。
宵闇に閉ざされようとする今、鞍馬の沿道に人々が群れ始めるのです。
今夜は鞍馬の氏神、由岐神社の祭礼です!
悪霊を祓い、豊かな穫りを祈願する祭りが始まります!!
午後6時、神事振れの合図「神事にまいらしゃれ」で、各家の軒下に用意されたかがり火に一斉に点火されるのです。
少年たちが小松明を肩に担いで山門に登って行く。
街道にはかがり火がたかれ、空地の大かがり火に火が入る。
由岐神社は鞍馬寺の山門の脇を登った山間にある、大地の神・オオナムチを奉る神社です。
子供の小松明の後に、母親に手を引かれた幼児が一段と小さな松明を持って山門へ。
「サイリョウ サイリョウ」と声が掛る。
火の粉が飛ぶ。
松明の列は、いつのまにか谷の道を埋めつくし太鼓の音がする。
祭りの中心の宿(今年の当番)から太鼓の音が激しく聞こえる。
人々は山門から宿へ向かう。
「サイリョウ サイリョウ」と宿の前では、若者たちが大松明を一人で担ぎ、地面に叩きつける。
火の粉が乱舞する。
星のように飛ぶ、その周囲で子供の松明がまわ歩き山門へ向かう。
「うつる、うつる、火が若者衆にうつるよ!」と観客が叫ぶ。
すると、仲間たちが軒下に置いてある桶から水を若者にかける。
若者の長襦袢の下はきりりとシメコミ。
肌は火と冷水で真っ赤。
あまりにも、火の海を目前で観続けると火の強烈さに、何故か心が原始的な神聖感に酔っていくのがわかるのです。
山門と宿とを行きつ戻りつした火の波は、徐々に宿の前に集まっていきます。
鞍馬住民の代表の一行が神輿を迎えに行くのだ。
鎧姿の若武者2人がその後に続く。
そして大松明、小松明、最後に小さな松明を手にした女子供たちが山門へ、由岐神社へと進む。
「サイリョウ~!サイリョウ!」と、声が激しくなる。
石段に、左右2列の松明の帯が並ぶ。
いよいよ、石段の上に張った注連縄を刀で切る時がきたのだ。
注連縄は、高く跳び上がっても切れそうもない。
沢山の松明が集まり、注連縄の下で激しく振られる。
火の粉が夜空の舞い、紅葉になったように谷に落ちる。
散ってまた火柱となった。
縄が切れた。
裸の若者が石段を登る。
肉体をかけて駆け登る由岐神社の神輿が下りてくる。
2基の神輿が人里に降臨してきた。
神輿は車に乗せられ、手に手に松明を持った人々に引かれ、鞍馬の町を下って行く。
女たちは車が滑らないように、白布でささえる。
神輿は明日までお旅所へ。
徐々に松明の火が弱まってきた。
炎が夜の闇に消えて行鞍馬は再び、紅葉に包まれた山里へと戻っていった。