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生活豆知識

人はなぜ眠るのか?脳の重要な役割を知り睡眠の工程や統計データから学ぶ

 わたしたちは毎日生活を送り、夜になると眠たくなります。 そして、一度しかない人生のうち、3分の1もの貴重な時間を費やして眠っています。

 そもそも、なぜ眠くなるのでしょう? なぜ、眠らなければならないと思いますか?

いまだ謎だらけの「睡眠」の正体とは。

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睡眠という意味

  • 周期的に生じる
  • 感覚や反射機能その他種々の心身の動き、生理機能が一時的に低下する
  • 目を閉じて無意識の状態であるが容易に覚醒しうる状態

 睡眠を科学することは、脳の根本的なシステムを知ることです。 さまざまな睡眠科学のデータを交えて睡眠の必要性やメカニズム、 諸問題の改善解決策等について「睡眠」の正体に迫ります。

人はなぜ眠るのか?!

 人はなぜ眠るのでしょうか。 わたしたち人類のみならず、哺乳類は例外なく睡眠をとります。

 進化の過程において考えてみると、身の回りの敵から身を守るため、骨格や視力・聴力といった身体の仕組みや感覚を発達させてきていますが、眠っているとき、動物は無防備で危険な状態であったはず。

 それであるにもかかわらず、眠る行為が無くならなかったのは、わたしたちにとって睡眠は「必要不可欠」だからに違いありません。

では、なぜ必要なのか?

脳内の重要な役割

 まだまだ睡眠の謎は十分に解明されたとはいえませんが睡眠には「生き抜くために必要な脳内の情報整理」という重要な役割があると考えられています。

 睡眠というのは、実は脳が眠って休んでいるわけではなく、目覚めているときとは異なった活動モードでいろんなことをしている状態であることがわかっています。

 目覚めている間は、否応なしにたくさんの情報が入ってくるのでそれらの判断や情報整理の処理に追われていっぱいいっぱいなり正しく全ての情報の整理ができなくなります。

 それを補うため、睡眠中は外からの情報を遮断した状態で自分の経験した事や記憶という情報を整理・最適化しています。

脳の情報整理

 パソコンでいう、まるでハードディスク(記憶媒体)のデフラグメンテ―ション(最適化)のようですが、脳による情報整理では自分にとってどうでもよい情報や忘れてしまいたいほど苦い記憶(忘れたくとも忘れられない場合もありますが)は脳内で何重にもフィルタを重ねてしまうこともあります。

そのため、睡眠時の脳活動というのは、起きているときよりもむしろ活発になります。

 とはいえ、睡眠中の脳の活動によって起きたときに 頭(脳)が疲れ切っている...ということはなく、規則的な良い睡眠であれば、頭の中が整理されているので、心身ともにストレスも感じられずとてもスッキリとします。

睡眠は戦略的に取るべき

 最近よく特にネット社会で情報を扱っている方々の中には、

人生の3分の1も眠るなんて、人生を無駄にしている。
この時代、情報量が勝負だ。寝る時間ももったいない。

 というようなことをおっしゃる方もいますが、これまでの見解から考えればこういった意見は全く逆で、眠っているときはむしろ、目覚めているときよりも脳が著しく有効に活動していることとなります。

 ですので、睡眠はいわば戦略的に取るべきなのです。

 当然、人生はその内容の濃さも然り、時間も然りですが前向きに生きる1つのコツとして規則良く眠ることはわたしたちが生きるうえで重要な活動の1つであると考えます。

脳と睡眠

脳による睡眠のコントロール

 前節で睡眠時の脳による重要な活動内容に触れましたとおり、睡眠と脳には密接な関係があります。

 例えば、脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン物質として「メラトニン」というものがあります。
メラトニンには、わたしたちの普段の生活からなる体内時計と連携し体温や脈拍、血圧を徐々に下げることで眠気を誘い睡眠を持続させる働きがあることから『睡眠ホルモン』とも呼ばれています。

 生活のリズムが不規則な場合(例えば深夜遅くまで強い照明の中にいるなど)にはこのメラトニンの分泌量が減るためこの効果は著しく低下します。(これは現代型不眠の代表例です)

睡眠を調節する脳内物質

  • アセチルコリン
  • ノルアドレナリン
  • セロトニン
  • ヒスタミン
  • ギャバ
  • グリシン
  • メラトニン
  • オレキシン
  • ヒポクレチン
  • プロスタグランジン

 また、ノルアドレナリン、アセチルコリン、ヒスタミンといった興奮性神経伝達物質によって前頭葉が刺激されていることで人は覚醒状態を維持でき、あるいは、体内時計に従って生じる、睡眠中枢にあるギャバには神経伝達物質を抑制する働きがあるため、これによって睡眠が訪れるようになります。

 このように、日常生活から構築される規則性(体内時計)によって脳が生成する複雑なしくみによってわたしたちの睡眠と覚醒をコントロールしています。

睡眠の工程について

 わたしたちの睡眠は入眠から覚醒まで、下記の工程(以下、Stageと称します)に分けられています。

睡眠の工程イメージ

 睡眠状態の指標として、睡眠ポリグラムの脳波/眼球運動/筋電図などにみられる種々の特徴から睡眠を各Stageに分けたもの。

 一般的にレム睡眠およびノンレム睡眠での計5つのStageに分類されます。 各Stage毎の出現率、睡眠状態の説明は以下のとおりです。

睡眠Stage.Ⅰ

 睡眠開始時-呼びかければ直ぐに目覚めることができる状態。
ウトウトしたまどろみ状態であり、浅い眠りの段階といえる。
「寝ている」という実感はなく、出現率は総睡眠時間の4~5%程度。
睡眠ポリグラフ上は覚醒時に見られるアルファ波が減少して断続的になる。

睡眠Stage.Ⅱ

 軽い寝息をたてる中等度の睡眠状態。
各Stageの中では出現量が最も多く出現率は45~55%。
睡眠ポリグラフ上は12~14Hzの中間速波が反復出現する紡錘波と呼ばれる波形の出現を特徴とし、
大徐波と紡錘波の組み合わせであるK複合(ケーフクゴウ、ケーコンプレックス)と呼ばれる波形が見られるのもこの段階である。

睡眠Stage.Ⅲ

 深く寝入った状態で、呼びかけなど外界の刺激にも反応しにくい。
Stage.Ⅳとの区別は脳波上の問題だけとも考えられ、両者を一緒にして徐波睡眠、深睡眠、Stage3/4などとも呼ぶ。
一夜の睡眠中では前半に多く出現する。出現率は4~6%。
睡眠ポリグラフ上は高振幅デルタ波の出現率が一区間の20~50%を占めるStageと定義される。

睡眠Stage.Ⅳ

 ノンレム睡眠の最も深い段階。
総睡眠時間の12~15%を占めるが、Stage.Ⅲとの差は必ずしも明確ではない。
睡眠ポリグラフ上は、深い睡眠時にみられる高振幅デルタ波が50%以上出現するStageであると定義される。

レム睡眠

 急速眼球運動 (Rapid Eye Movement = REM) の見られるレム睡眠の脳波は、比較的早いθ波が主体となる。
およそ90分の周期でノンレム睡眠と交替しながら現れ、通常は総睡眠時間の 20~25%を占める。
(6~8時間の睡眠のうち、1時間半~2時間程度)
この期間に覚醒した場合、夢の内容を覚えていることが多い。
レム睡眠中の脳活動は覚醒時と似ており、エネルギー消費率も覚醒時とほぼ同等である。
急速眼球運動だけが起こるのは、目筋以外を制御する運動ニューロンの働きが抑制されているためである。
筋肉の緊張や反射活動は強く抑えられているため、一般的にはレム睡眠は体の睡眠と考えられている。

 以上のように、睡眠に入ると、およそ90分間の周期でノンレム睡眠とレム睡眠を交替しながら眠りの深さが変わっていきます。

 また、この周期を経過するとともに、徐々に眠りの深さは浅くなり、やがて、覚醒することとなります。

 覚醒状態にもっとも近いレム睡眠の際には、急速眼球運動によって脳内の記憶や妄想等、視覚的な情報をあたかもその場で見えているように錯覚するために目覚めたとき、「夢」として記憶に残るようです。


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睡眠に関する統計データ

 2011年度に総務省および厚生労働省及によって調査・公開された都道府県別の平均起床時刻と就寝時刻や、睡眠時間などといった、わたしたちの生活時間に関する調査結果のデータがあります。

●社会生活基本調査とは
社会生活基本調査は,国民の生活時間の配分及び自由時間における主な活動について調査し,各種行政施 策の基礎資料を得ることを目的とし,昭和51 年の第1回調査以来5年ごとに実施している。 平成23 年社会生活基本調査は,全国の世帯から無作為に選定した約8万3千世帯に居住する10 歳以上の 世帯員約20 万人を対象に,平成23 年10 月20 日現在で実施した。 今回公表する結果は,生活時間の配分に関する結果である。 なお,詳細な行動分類による生活時間の結果は,平成24 年12 月に公表する予定である。

●ホームページURL http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm

※調査は5年おきに実施されているようなので次回2016年度の調査結果は2017年に開示されるものと思われます。

 あくまで「平均」となる統計データですので、照らしてみてご自身の睡眠がどうであるか考える1つの目安として参考にしてみるとよいかもしれません。

▼各種、開示されている数値データをグラフ化したものです。

睡眠満足度(睡眠に不満を持つ人の割合)

睡眠満足度

 各年代別のパーセンテージは睡眠に対する不満足度の数値としてみてください。

 年齢は成年以降ですが、主に30代、40代の不満足度が目立ちます。

 その人、その家族毎であらゆる事情があるはずですが、その年代であれば子育て世代が多く、乳幼児~10代前半のお子さんのお世話などで毎日の睡眠がしっかりととれていないのではないかと思われます。

 他の要因としては20代も含まれてきますが、スマートフォンの普及によりいつでもどこにいても高速インターネット回線でインターネットができたりゲームもできるので夜落ち着いて布団に入ってから・・・など睡眠時間を犠牲にしているケースもみられるようです。

年齢別の平均睡眠時間

年齢別の平均睡眠時間

 こちらのデータで目立っているのが、特に40代、50代の女性の睡眠時間(6時間半に~7時間)が短くみえます。

 女性の場合ホルモンバランスによる更年期障害、睡眠障害など、男性と比べて体調の変化や睡眠への影響となる原因は複雑で多いように思われます。

 また、日本の文化(?)として朝は早い時間から家事に追われ、夜も定職帰りや家の仕事が終わってから子どもの寝付けや家計簿付けなど、朝も夜も遅いのが主婦層ではないか、と思われます。

都道府県別の平均睡眠時間

平均睡眠上位5県

平均睡眠時間が多かったのは多い順に秋田、青森、高知、山形、福島の5県。
年間の日照時間の少ない県がほとんどのため、日照時間の影響と考える専門家もいます。

平均睡眠下位5県

 平均睡眠時間が少なかったのは少ない順に神奈川、奈良、兵庫、千葉、埼玉の5県。
いずれも大都市ベッドタウンのため長い通勤・通学時間の影響が伺われます。

都道府県別の平均就床時間

 平均睡眠時間の統計結果でも触れたように、就床時間についても主に東北地方が早いようです。

 日照時間の短さも理由の1つにありますが、農業や漁業も盛んですから必然的にこういった生活リズムになるのだろうと思います。

 

 起床・就床時間の最も早い青森県、最も遅い東京都を比較すると、起床時刻の差33分、就寝時刻の差1時間6分と同じ日本国内でも大きなひらきが出ています。

都道府県別の平均起床時間

平均起床時間上位5県

 上位5県は5分以内の差ですが、就床時間も早く、やはり起床時間も早いようです。

 生活リズムは文字通り生活に根付いている当たり前の文化であるようです。

平均起床時間下位5県

 下位についてみてみると、上位とは打って変わっていずれも人口の多い都市に偏っているようです。

 こちらもその土地に根付いた生活文化が裏付けられているように思います。

OECD加盟各国の睡眠時間

OECD加盟各国の睡眠時間

 各国の平均睡眠時間をこうして並べてみると、やはり、日本は働きすぎな国なんだろうか、とも思ってしまうのですが、睡眠時間の数字のみ見てみると決して短いようにはみえません。

 確かに他の国と比べて日本は1日中働いている印象がありますが、睡眠時間が足りていないのではなく、ご自身や家族とのプライベートな自由な時間が足りていないのではないかと思います。

動物別の睡眠時間

 最後にこれは総務省のデータではありませんが、動物別での平均睡眠時間を並べてみました。

 一番上のキリンが短く、一番下のコアラが最も長いです。

 食物連鎖上、草食動物が睡眠時間が短いと一般的に言われていますが、コアラもユーカリの葉を食べる草食動物です。

 しかしコアラやナマケモノは高い木に上り自分の身の安全を確保しつつ食料を得る事ができるので睡眠時間を十分に取る種族であるようです。

 身の危険は逃げる・隠れることを必要とされる草食動物は必要な時間だけの睡眠ではありますが、やはり短い時間であっても睡眠は必ずとるようです。

まとめ

 ここまで睡眠に関する国の調査結果や科学研究されている情報を個人的見解を交えてまとめてきましたが睡眠の真相はまだ未知です。

 脳や人体の不思議は永遠のテーマなのかもしれませんが睡眠の謎や脳科学は日々研究されている分野です。

 睡眠のサイクルと、睡眠が脳や身体の健康状態にもたらす影響の一部はわかっています。

 また、脳というのはわたしたちが思っているよりもずっと働きものです。

 睡眠とは、ただ単に休息するために眠るのではなく、眠ることで脳は睡眠中だからこそできる活動にシフトチェンジします。

 それによってわたしたちがまた新しい一日を生き抜くための良いコンディションを作ってくれますので、わたしたちの生活の大部分を費やしている睡眠はとても重要であることは間違いありません。

 新たな研究発表などあれば記事のほうで更新していきます。

 睡眠はあなたご自身にとっての明るい社会生活を支える大切な活動ですので、毎日よい睡眠を心がけましょう。

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